ちょっとした日常
今日はダンゴムシを踏みそうになった。
実は昨日も踏みそうになった。
これはダンゴムシ側からの抗議かもしれない。
「人間ごときが調子に乗ってんじゃあないぞ」という。
確かに彼らは優れているのかもしれない。
たとえ幼稚園児に胴体を真っ二つにされようが、
つつかれて丸められて遊ばれようが、
そっちが勝手にひっくり返したのに「気持ち悪い」と罵られようが、
きっと優れている。
これ以上発言すると、ダンゴムシの逆襲にあう気がするからやめておこう。
私が彼らの抗議から感じたのは、人はつけあがり過ぎたのかもしれないということだ。
ダンゴムシを踏みそうになった瞬間、私はこう思った。
「ああ、ダンゴムシか」
そして、愕然とした。
いつから私はダンゴムシの存在を忘れていたのだろうかと。
あの愛くるしいフォルムを、丸めて遊ぶのに最適な彼らを。
人は人という種以外を、徹底的に淘汰していったのだということを感じた。
多様な生物と共存して生きていることを今一度思い出し、
今日またダンゴムシを見かけたら、敬意を表して、つついて丸めようと思う。